ここで、わりばしハウスの由来について。
最初の記事に載せたように、もともと細長い土地を2つに分筆して、
さらに細長くなった土地に、細長い家を建てるというものです。
waribashi家では、購入する前に、土地の横幅を少し広げてもらいました。
そのままの土地の大きさでは、3.6m(2間)の間口の家は建たないところでした。
数センチ、奥に向かって先細りになっていて、
隣家境界との距離を保つためには、3.5mの間口の家になるとのことでした。
1.狭小間口の土地
「狭小間口の土地」で検索すると、4m以下のものが多く見られますが、
全国的に見ると、6m以下も「狭小間口の土地」と言われているようです。
もちろん、もっと狭い間口の土地もあります。
土地間口4m以下の場合、3階建てにすることが多いのではないでしょうか。
私たちの土地は、間口4.2m。
高さ制限のある地域で、3階建ては建てられません。
間口4.2mでは、普通、車は1台しか駐車できません。
それでも、4.2mから隣家境界までの屋根分(ケラバ分)30センチずつを引いても、
建物間口は3.6m。
ギリギリ2間(にけん)の建物が建てられるということです。
私たちの地域では、間口の狭い土地や家はよくあることなので、
「最低2間あるなら、、、」
と、見積もりを進めていったのでした。
※一般的には境界線から50センチ以上離すことが民法上の決まりだそうです。
但し、「規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う」ともあるそうです。
waribashi家は住宅密集地ですので、周辺の慣習に合わせての設計だそうです。
詳しいことは専門家ではないので、わかりませんが、規定に反しているのではないそうです。
2.狭小間口の家
先ほどから、2間間口(にけんまぐち)と言っていますが、
尺貫法でいう、1間(いっけん)は、約181.8センチとのこと。
住宅設計の場面では、
3尺(さんしゃく)=910ミリ=半間を1単位とした、
「尺モジュール」が多く使われています。
図面の上で、「1マス分」というのは、910mm×910mmのことだそうです。
尺貫法や住宅モジュールについて、詳しくは、いつものようにSUUMOさんにお願いするとして、、、
1間=6尺ということは、1間=1820mm=1.82m
2間は?
なんと、3.64mなのです!
4センチ足りない!
3.2間間口の家が建たない!
いろいろなところで、見積もりや間取りを提案してもらう中で、
「うちは910の尺モジュールでやってるから、そもそもお受けできません」
と断られたところもありました。
(いわゆる規格住宅)
つまり、3.64m=2間間口が建たないとのことでした。
ショックでした。
しかも、ここからが本題なのですが、
「そもそも3.6mの建物が建たない」
ということが判明しました。
それが、はじめの画像のとおりです。
道路に面したところは、きっちり4.23mずつ分けてありますが、
奥に向かって先細りの形になっていて、最後の部分は4.2mありません!
そうなると、
3.64mの尺モジュールの家が建たないどころか、
3.6mの家も建たないのです。
たった数センチのことですが、建たないものは建たないのです。
※実際には、玄関から途中までは3.6m確保できますが、途中から細くなるため、
途中からボコッと10センチ狭くなるなど・・・現実的ではありません。
↓
実際、土地指定の工務店に聞いてみると、
3.5m間口の家になるだろうということでした。
やっぱり!
確認してよかったです。
4.お願いして土地間口を広げてもらった!
わたしたちは、土地の販売先に相談をし、
「3.6mの建物間口を確保することを、約束してくれるのであれば、購入します。」
と伝えました。
今から思えば、3.64mにしておけばよかったと思いますが(失敗)
それでも、900モジュールで建てている工務店はいくつかありましたので、
最低限の3.6mを死守したことは大きかったと思っています。
(家の奥行きによっては3.64でも建てられるかもしれません。)
将来土地を売却する際、
3.6mの家を建てられるか建てられないかは、
大きな差になるはずだと思いました。
実際、私たちも間口3.5mの家になるなら購入していなかったと思います。
こうして、無事、建物間口3.6mが建つように分筆登記することを約束してもらいました。
土地の間口を図のように変更してもらえたのです。
土地を分筆する前だったからよかったのと、
ありがたいことに、
間口を広げた分、土地面積は少し増加していますが、
増額することなく、最初の価格で購入させてもらえました!
そのような要望を聞き入れてもらえたのも、
指定工務店で建てることが前提となっていたからです。
前の記事でも触れましたが、
建築条件付きの土地にはメリットもたくさんあると実感したことのひとつです。
5.狭小間口のメリット
さて、なんとか2間間口の家が建てられそうです。
狭小間口のメリットを考えてみたいと思います。
一般的によく言われるのは、
①土地が安い
わたしたちの場合、坪単価の比較的高い地域だったので、
安さは実感してません!
が、本当に若干ですが、北に面していることも合わせて、
若干、土地価格は安いように思います!
次によく言われるのは、
②プライバシーが守られやすい
道路に接している面が狭いため、人通りや車通りから物理的に離れることができます。
また、奥に長くなる傾向があり、道路から離れたところにプライベートゾーンを作りやすい。
などがあるようです。
わたしたちの場合、住宅密集地なので、多分プライベート感はないと思います!笑
何しろ隣家と30センチ(壁同士は60センチ)ですから、窓を開けていたら、
話し声や生活音も、まる聞こえになるのではと覚悟しています。
そんな中でも、確かに、奥に長い土地なので、
奥(南側)にテラスや庭を作ることができました。
2階はウッドデッキのバルコニーにして、リビングから気軽に出入りできるようにしました。
この南側のゾーンが、私たちの土地のメリットになることを願っています!!
6.狭小間口のデメリット
次に、狭小間口のデメリットです。
①間取りの自由度が低い。
②風通しや採光の面で工夫が必要。
③部屋を区切ると、狭くなる。
④大きな開口部を作りにくい。
⑤隣家と近いため、足場が組めないなど、工事費用が高くなる。
などなど・・・・・
いーーーーっぱいあります(笑)
今のところ、デメリットが大きく上回っています!
①→確かに、間取りの自由度は低いです。
どこに間取りを書いてもらっても、だいたい同じような感じにしかなりません。
でも、そのことで、どこに優先順位を持っていくかがはっきりし、
今のところ、間取りに関しては満足しています。
②→南側の間口も必然的に狭くなるため、採光に不安もあります。
両隣はお互いの屋根で、光はほとんど見込めないと思います。
そんななか、できるだけ快適に過ごせるように、工夫をしています!
(※詳細は後日書きます!)
③→その通り
④→その通り
⑤→ここに関しては、
分筆したもう1つの土地も、同じ工務店が建売物件を建てることが決まっており、
そちらに関しては一緒に建てていくのでコストカットになるんだと思います。
(建築条件付き土地のメリット)
しかし、もう片側に対しては、かなり神経を使う現場になるとのことでした。
デメリットだらけの家をどれだけ楽しみながら暮らせるか?
それが、今の私たちのワクワクしていることの1つでもあります!
7.狭小間口の家は狭小住宅か?
一般的に、「狭小住宅」は30坪以下とも25坪以下とも言われています。
私たちの土地は、ギリギリ30坪ありますし、
建ぺい率・容積率も60%100%と、そんなに厳しくもないと思っています。
3人家族で2LDKの賃貸に住んでいる今の暮らしを思えば、広いなと思います。
でも、全国的に見れば、間違いなく、狭小住宅の部類に入ると思います。
どこをとっても狭いです。
縦長の形をしているだけで、こんなにも狭く感じるんだと思いました。
だって、3.6mの間口から、通路を0.9m(1マス分)とったら、もう残りは2.7mしかありません。
でも、縦長だから、必ず奥に続く通路が必要です。
これから家を建てる方、土地を買う方には、
全力で、「四角い土地」を買うことをオススメします!
間取りの自由度が違います!
全部の部屋が明るくなります!
もちろん、利便性や立地を最優先にした結果、細長い家になるのはありだと思います!
狭小住宅のメリット、狭小間口のメリット、
もし他にもあれば、ぜひ教えてください!!
ここまで読んで下さりありがとうございました。